ホーム > 武相ニュース > 高校3年生歌舞伎鑑賞会

高校3年生歌舞伎鑑賞会

2018/5/18

5月15日(火)、高校3年生は東京の「歌舞伎座」に行き、「昼の部」で歌舞伎鑑賞会を行いました。演目は、「一、雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)」と「二、女伊達(おんなだて)」です。

天候に恵まれたこの日、集合時間の1時間くらい前から早い生徒が集まってきました。夏日で暑かったため、みな日陰を求めて開場を待っていると、歌舞伎ファンのご年配の方や、ツアーのご一行、さらには日本文化に触れようとする外国人観光客…あっという間に入口付近はものすごい人だかり。歌舞伎人気は健在です。

歌舞伎

歌舞伎座の方が「武相高等学校様受付」というコーナーを作って下さいましたが、「海老蔵さんが出るのはここが受付ですか」と間違えて立ち寄る方もいて、人気のすごさを実感しました。

 …そうなのです。「雷神不動北山櫻」は、何とあの市川海老蔵さんが1人五役を勤めるのです!! 生徒に「今日は海老蔵さんワールドに浸れるよ」と話すと、「え!?」と驚いたり、「でも歌舞伎独特の化粧をしているので海老蔵さんってわからないですよね」と心配そうな生徒も…。

 11時、序幕の開演です。いきなり海老蔵さんの「口上」でスタート。ここはまだ歌舞伎役者っぽくなく、笑いも取りながら、あっという間に観客の心をつかむあたりはさすがです。生徒もいきなりの「海老蔵さん」に引き込まれます。

そして五役。悪役の「早雲王子」、貴族っぽく女性好きで実は100歳を超える「安倍清行」、男性も女性も口説いてしまう性格ながら陰謀をあばく人間味あふれるキーパーソン「粂寺弾正」、龍神を封じ込める霊力をもちつつも女性におぼれ力を失う「鳴神上人」。そして悪を浄化する「不動明王」…。全く異なる5つの役を、早変わりも入れて演じていく、まさに「海老蔵ワールド」、すごいオーラです。

生徒はイヤホンガイドで解説を聞きながら鑑賞しますが、ストーリーが複雑なので、難しい内容も多く、途中で戸惑う表情もあちこちに。しかし、海老蔵さんがコミカルなしぐさをするたびに、さらに「見得」を切るたびにぐぐっと引き付けられる生徒たちです。

第三幕のラストは、悪役「早雲王子」の捕り物の場面。ここは生徒たちみんな真剣に引き込まれていました。

二幕と三幕の間には「幕の内弁当」もいただき、ほとんどの生徒が初めての歌舞伎鑑賞は、とても充実したものとなりました。歌舞伎座のスタッフの皆さんありがとうございます。

 「大向う」の方々から「成田屋!」などの声がかかります。後ろからの声に、「どこから?」「誰が?」ときょろきょろしていた生徒たちですが、三幕ともなると、「○○屋」と、「大向う」に合わせて声出しに挑戦する生徒も。屋号が合っているか、はらはらしていたのは引率の教員たちでした。

 日本の伝統文化に触れた経験は、きっと今後に活かされるでしょう。海老蔵さんのオーラが役づくりへの不断の努力から来ていることは、生徒も感じ取ってくれたと思います。

 解散後、「古典で習った言い回しなどが出てきて興味深かった」という感想を話してくれた生徒もいました。そういう高校生らしい感じ方ってうれしいですね。

 

武相トピックス