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【OB登場】工藤建設株式会社会長・工藤次郎さん「今の私があるのは武相高校3年間のおかげ」

2014/12/4

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 私は18期の卒業です。野球部に所属していました。昭和39年に甲子園に初出場した時は高校3年です。補欠でしたが、自分の足で甲子園の土を踏み、甲子園の土を自分の手で持ち帰りました。夢を実現した一人です。

 今の私があるのは武相高校3年間のおかげです。野球部の土と涙の練習を耐え抜き、それが自信になっています。当時は本当にスパルタでした。同学年で120人が入部しましたが、3年間やり抜いたのは18人しかいません。厳しさに耐えかねて相次いで退部していったのです。私は毎日「辞めたい」と思いました。「こんな厳しい練習には耐えられない」「今日の練習が終わったら辞めよう」「今日の練習が終わったら辞めよう」。そんな毎日でした。辞めると楽になれるのです。

 しかし、私は辞めなかった。辞めたらすべてが終わってしまうからです。私は小学4年から野球に打ち込んできました。中学1年の時に長嶋茂雄が立教大学から巨人軍に入りました。私は「長嶋のようになりたい」と強い思いを抱いて野球に打ち込んできました。それが、「辞める」とひとこと言った時点で終わりになります。ゼロになります。夢が消えます。すべてを捨てる勇気が私にはありませんでした。

 野球部で3年間頑張り抜いて、補欠とはいえ甲子園で武相高校のユニフォームを着て練習したのは私の誇りです。思い出すと今でも熱いものがこみ上げてきます。

 熱く激しく一生懸命に武相高校で過ごしたせいでしょうか、武相の後輩は目の中に入れても痛くありません。「お前は武相の後輩か!」と激励したくなりますし、先輩や同輩にも激しい仲間意識を感じます。母校への誇りは誰にも負けません。

 平成26年に動静会(武相高校卒業生の同窓会)の会長に就任しましたので、任期を全力疾走して、母校に刺激を与えて去っていこうと思っています。

 武相高校は72年の歴史を刻み、この間に輩出した卒業生は3万余人にのぼります。せっかく武相で学んだのに卒業したらおしまいではもったいないと言わざるを得ません。

 そこで、つながりや絆を呼び起こしたいと考えています。3万余人の人材を活用して、母校への支援をしたいと思うのです。そのためには多少の時間が必要ですが、できることから1つずつやっています。

 その1つがOBによる学校内外の清掃です。ゴミを1つ拾うと1つきれいになります。自分も清々しい気持ちになります。清掃を日常化することでいい波及効果が生まれるのです。私たちが清掃をすることで先生や生徒、PTAなどにも輪が広がってきました。先日実施した時は校長先生や理事長まで参加してくださいました。この輪を広げたいと思っています。

 実は私の会社は創業者から現社長まで清掃に力を入れてきました。地元町内を何十年も清掃しているのです。地元や区長さん、横浜市長から感謝状をいただいたほどです。清掃は姿も心も見られるのです。

 最後に私の好きな言葉をいくつか挙げます。まず、「義理と人情とやせ我慢」という言葉が好きです。私は損得で動く人間ではありません。

 農家であり軍人でもあったオヤジの私への教育は「らしく元気よく」でした。幼少期からしょっちゅう言われました。例えば「野球部員らしく元気よく」「武相高校生らしく元気よく」「子供らしく元気よく」と何でも当てはめて使います。

 オヤジからは「『倒れて後已(のちや)む』精神」ともよく言われました。「倒れて後已む」は死ぬまで努力し続けて決して屈しないという意味です。

 前向きで明るく、真剣な言葉だと思いませんか。武相の後輩のみなさんに共感してもらえばうれしいです。

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