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目の前の命を救うために――心肺蘇生法やAEDの講習会を開催しました

2014/12/10

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 日本赤十字社神奈川県支部事業部青少年・ボランティア課の講師をお招きし、12月8日(月)本校記念館アリーナで心肺蘇生法やAEDの使い方に関する講習を開きました。対象は高校運動部の部長やマネジャーなど60名ほどです。第3回B-up講座「健康安全プログラム」としての開催です。

 講師の指示に基づいて、心肺蘇生とAEDの手順や方法、重要ポイントを交替で役割分担して全員が実践しました。最初は単におもしろがっているだけの生徒がいましたが、途中から「これは真剣にやらないといけない」という声が漏れ聞こえるなど、命に向き合うこと、救うことの重大さに気づいていったようです。

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 講習会の最後で「周囲に誰もいなかったらどうすればいいですか」や「赤ちゃんにも同じような心肺蘇生をしていいのですか」、「雨天時の対応は」など、講師への質問が相次ぎ、参加した生徒たちの関心の深さが垣間見えました。

 今回の講習会の企画をした本校3年の今野利謙君は「リーダーシップを身につける」という新聞記事に興味を持ち、夏休みに開かれた日本赤十字の青少年赤十字リーダーシップトレーニングセンターの研修を受けました。

 4泊5日の合宿で、地雷を踏んで足を失った人への義足の提供や内乱で捕虜になった人と家族との手紙のやり取りなど、赤十字が取り組んでいる活動を映像で学びました。その上で、「人のために自分にできることは何か」というテーマでグループディスカッションをしたそうです。「今の自分たちには赤十字のような大きな人助けはできない。しかし、自分たちにできることなのに目をつぶっていることがあるのではないか」と今野君は考えます。

 そこで思いついたのが、応急救護とAEDの使い方を私たち武相高校生が学ぶことです。

 応急救護について今野君は高校2年生のころから興味があり、保健の教科書で知ったつもりになっていました。ところが合宿で実際にやってみると、勝手が全然違います。心臓マッサージはかなり力が必要で、5分間も続けると汗だくになりますし、肺を膨らませるような強い人工呼吸もなかなかうまくできません。

 教科書で読んだ知識だけだったら実際に倒れている人を救護できないと痛感しました。助けようとして自分が二次被害に遭う可能性もあります。その人を動かしていいのか、どのような体位にしたらいいのかも分からない。そういう場面に遭遇したときに適切な判断をして素早く行動できるためには正しい知識と技術を身につけなくてはいけない。こう強く思ったのです。

 友人の本校3年・中村仁君に相談したところ、中村君は曾祖母が倒れて苦しむ場面に遭遇してひるんでしまって中学校で学んだ蘇生法を施していいのか悩んだ経験があり、思いが共有できました。

 こうして2人は心肺蘇生とAEDの使い方の講習会の開催を学校に提案し、中田校長が即決しました。

 講習会を受けた生徒が今後、学校や家庭、地域においてそういう場面に遭遇したとき、冷静に応急救護ができ、命を救えることを期待しています。

(2014.12.08)

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