8月2日から4日にかけて6名の生徒が「高校生による夏の福祉防災研修 IN 宮城」に参加しました。
8月2日(火)20時、県内の高校生や大学生合わせて22名が神奈川県民センターに集合しました。出発式のあと21時30分、バスは宮城県に向けて出発しました。夜行バスの中で睡眠が十分に取れなかった生徒もいたようですが、3日の早朝に道の駅「上品の郷」にバスは到着。
8時過ぎに最初の訪問地、石巻市立旧大川小学校をたずねました。ニュースで目にしたことはあっても、実際に校庭側の教室の壁が全部なくなっていたり、渡り廊下が崩れていたりといった津波の威力を目の当たりにし、皆言葉を失いました。津波の被害にあう前の写真を見ると、この辺にはたくさんの住宅もありましたが、今は全くありませんでした。
続いて11人の生徒が犠牲になった石巻西校を訪れ、本校の生徒も代表で献花をさせていただきました。
次に訪れたのは東松島市中央サポートセンターです。東松島市も津波の被害が大きかった地域です。津波発生時の映像や被災した人たちのお話などをDVDで見せていただきました。その後、当時小学校4年生だった語り部の高校生が被災したときの様子をお話してくれたのですが、皆涙を流しながら聞いていたようです。自分の身は自分で守る、備えをしておく、家族が避難する場所を決めておくなど、防災についてたくさんのメッセージをいただきました。
矢本駅からJR仙石線に乗り、野蒜駅に移動しました。野蒜駅は津波の被害を受け、高台に移動していました。この周りでは住宅地の造成が行なわれていました。旧駅舎は現在コンビニと交流センターになっており、こちらでも被災した人たちからお話を聞くことができました。
この日の宿は月浜地区の民宿でしたが、このあたりも津波の浸水域でした。御主人からも当時の話と復興の様子を聞くことができました。
事前研修で、どのような目的で今回参加したのか、どのようなことを現地で質問したいか、などを書いてきたのですが、こちらに来てみてどうだったのかを皆で振り返り、発表しあいました。
翌朝の5日には、海岸の清掃を行ないました。ゴミはトラックの荷台いっぱいになりました。今はもうだいぶ綺麗になっているようですが、以前はガラスが数メートル下まで散らばっており、とても海水浴ができるような状況ではなかったそうです。この日は天気もよく、多くの方が海水浴に訪れていました。
ごほうびに漁船に乗せていただき、この辺を案内していただきました。
帰りのバスの中では、今回の研修について感想をひとりずつ述べました。
主催者の方からは、「皆さんが被災者にならないでほしい、生き延びてほしい。という被災した人たちの思いを感じてください。」「この研修が成り立つのは地元の人たちの温かい受け入れがあったからです。これは被災者のお返しでもあります。ぜひ、皆さんも地元の防災訓練に参加するなど自分の身は自分で守るということを考えてください。」「今回の研修をこの場限りにせず、自分達に何ができるか考えていってほしいと思います。」などのアドバイスをいただきました。
参加した生徒の感想です。
・テレビでしか見ていなかったがこんなこともあったのだとわかってよかった。
・短かったが、良い経験になった。被災地の現状を見たり、語り部の方の話を聞いたりして考えさせられる3日間だった。
・旧大川小学校などを自分の目で見ることができてよかった。
・被災した人の生の声が聞けてよかった。備えていて良かったということを聞いて自分もそうしなくてはと思った。
・復興しているとは聞いてはいたが、旅館などもあそこまで復興しているのに驚いた。現地の人々の強いところが見られて良かった。
・かなり復興してきているということを感じた。今回身につけた知識などを持ち帰り、周りの人に伝えたいと思う。
3日間というわずかな期間ではありましたが多くのことを学ぶことができた研修となりました。