著者 門井慶喜
書名 銀河鉄道の父
出版社 講談社
発売年 2017年9月
この物語は宮沢賢治の生涯を父、政次郎の目線から捉えた作品です。政次郎は今風に言えば「イクメン」で賢治は「ダメ息子」でしたが、妹トシの病気を機に執筆を始め生きる道を見つけます。無名のまま37歳で生涯を閉じます。
小学校、中学校の授業では知り得ない賢治がこの小説に描かれています。
死ぬ前に自費出版した本は2冊だけでほとんど売れず、賢治が亡くなったあと政次郎が諦めずに「推し活」を続けたため賢治の作品がこの世に沢山誕生しているのだと。
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
欲ハナク
決シテ瞋ラズ
(以下省略)
この詩は小説の後半に出てきます。改めてこの詩を読み返してみたら、私の心の奥にじんわりと沁み切なく届き、学生の頃に読んだ感情とは明らかに違い、年とともにこの詩の良さがわかってきます。みなさんもこの小説を読んで自分だけの世界に浸ってみてください。
絶対的な愛情と息子を信じる強い想いが描かれている作品です。
学生のみなさんも是非読んでみてください。